お盆・お彼岸
17 お盆・お彼岸
お盆とお彼岸って何が違うの?
古代の日本では新年最初の満月である1月15日と、半年後の満月である7月15日の2回、祖霊を祀る風習があり、やがて1月15日のほうは年神を祭る小正月へと変化し、7月15日のほうは先祖を祭る行事へ変化したという説があります(旧暦では15日は十五夜でほぼ満月になります)。また、釈迦の弟子の1人が地獄に堕ちた母親を救うために供養した日が7月15日だったということに由来する仏教の盂蘭盆会という行事にも由来し、これと古代からの7月15日の先祖を祭る行事が一緒になって日本独自のお盆へ発展したという説もあります。仏教の盂蘭盆経の内容と日本の盆行事の性格を比べると、古代からの先祖を祭る行事としての性格のほうが強いようです(ここから、日本のお盆は神道系の行事だという見方もあるようです)。
お盆の入り=お盆の始まりの日としては、地獄の釜の蓋があくといわれる1日(釜蓋朔日・朔日盆)とするところや、七夕の日でもある7日(七日盆)とするところもあります。お盆の終わりの日としては、地蔵菩薩の縁日である24日(地蔵盆)とするところもあるようです。
迎え火(迎え盆)は13日が一般的ですが、12日や14日とするところもあり、送り火(送り盆)は16日が一般的ですが、15日とするところもあるようです。そして、これらはもともと旧暦7月の行事でしたが、明治6年(1873年)の改暦の際に旧暦から新暦とされたため、現在ではカレンダーどおり新暦7月にするところ、月遅れで新暦8月にするところ、従来の旧暦7月にするところの3とおりに分かれています。
(1)
新暦のお盆(東京などの一部の地域)…カレンダー上のお盆
7月1日 …釜蓋朔日・朔日盆
7月7日 …七夕・七日盆
7月13日…盆の迎え火・迎え盆
7月15日…お盆・盆の中日・盂蘭盆
7月16日…盆の送り火・送り盆
7月24日…地蔵菩薩の縁日・地蔵盆
7月28日…大日如来の縁日・大日盆
(2)
新暦の月遅れのお盆(全国的にお盆とよばれているもの)
8月1日 …釜蓋朔日・朔日盆
8月7日 …七夕・七日盆
8月13日…盆の迎え火・迎え盆
8月15日…お盆・盆の中日・盂蘭盆
8月16日…盆の送り火・送り盆
8月24日…地蔵菩薩の縁日・地蔵盆
8月28日…大日如来の縁日・大日盆
(3)
旧暦のお盆(沖縄などの一部の地域)…もともとのお盆
旧暦7月1日[2009年は新暦8月20日(木)]…釜蓋朔日・朔日盆
旧暦7月7日[2009年は新暦8月26日(水)]…七夕・七日盆
旧暦7月13日[2009年は新暦9月1日(火)]…盆の迎え火・迎え盆
旧暦7月15日[2009年は新暦9月3日(木)]…お盆・盆の中日・盂蘭盆
旧暦7月16日[2009年は新暦9月4日(金)]…盆の送り火・送り盆
旧暦7月24日[2009年は新暦9月12日(土)]…地蔵菩薩の縁日・地蔵盆
旧暦7月28日[2009年は新暦9月16日(水)]…大日如来の縁日・大日盆
一方、お彼岸は、日本で誕生した日本独特の仏教行事のようです。仏教ではあの世(涅槃・極楽)を「彼岸」、この世を「此岸」といいます。また、「彼岸」は西方にあると信じられていたため、太陽が真西に沈む春分・秋分の日はもっとも「彼岸」に近づく日とされ、その日に先祖供養を行ない、前後の3日づつの計6日は「六波羅蜜」という6つの行を1つづつ実践する日とされ、春分・秋分を中日とした計7日間をお彼岸としました。
お彼岸は、二十四節気の春分・秋分にもとづくため、新暦では毎年ほぼ同じ日付になり、旧暦では毎年日付がかわります。
(1)
春のお彼岸(2009年の場合)
新暦3月17日[旧暦2月21日]…彼岸の入り
新暦3月20日[旧暦2月24日]…彼岸の中日
新暦3月23日[旧暦2月27日]…彼岸の明け
(2)
秋のお彼岸(2009年の場合)
新暦9月20日[旧暦8月2日]…彼岸の入り
新暦9月23日[旧暦8月5日]…彼岸の中日
新暦9月26日[旧暦8月8日]…彼岸の明け
18 お盆・お彼岸
お彼岸でお供えするぼた餅とおはぎは何が違うの?
ぼた餅は「牡丹餅」、おはぎは「御萩」。牡丹の花は春に咲きますので、春は牡丹餅といい、萩の花の咲く秋は御萩餅(あるいは、萩の餅)といいます。また、ぼた餅はこしあんで、おはぎ粒あんで作るのだそうです。